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子どもの問題
養育費

子どもを養育するための費用は、両親がともに負担すべきです。
未成年の子どもの親権者は、母性優先の原則から母親がなることが多いのが現状です。
しかし、母親には収入がなく、離婚後働いたとしても父親ほどの収入を得ることは困難なことも多いです。
そういう場合、父親は自分と同等の生活を子どもが送ることができるよう養育費を負担すべきです。
子どもを養育するため、お互いの経済状況から、適当な金額を決めます。
原則的には個々の両親ごとに適切な金額を決定すべきですが、裁判所では次のおおよその基準に沿って養育費を決定しています。
東京家庭裁判所のサイト(養育費算定基準)

※ 注意
通常女性の方が収入が少ないので、母親が父親から養育費を受け取るものと思われがちです。
しかし、共働きで親権者となった母親の方が収入が多い場合、養育費を受け取るのが相当でない場合もあります。
また、父親が親権者となった場合、母親が養育費を負担するという場合もあり得ます。


● 養育費が支払われなくなったらどうするの?
養育費を支払うべき親がリストラや急な病気などで収入が減ってしまうことがあります。
最低限の生活費を確保するのが精いっぱいで養育費まで手が回らないという状況の場合、養育費減額を求める調停を起こすことができます。
ない袖は振れませんのでそのような状況に陥っても養育費を払いなさいということはできません。
養育費支払義務者が再婚し、子どもが生まれるなどし、生活費が多く必要となった場合なども同じです。

これに対して、単に「離婚したもと妻に支払いたくない」「子どもと暮らしていないのだから払いたくない」などという身勝手な理由で支払いをしない場合があります。
この場合、親権者としては強制的に支払わせる方法をとる必要があります。
ただ、いくら両親の間で合意があったとしても、勝手に金銭を取り立てることは法律上許されません。
養育費支払義務者に対し、強制執行するには「債務名義」が必要です。
裁判離婚や調停離婚をした方は、通常判決文や調停調書に養育費の合意が記載されており、これが債務名義となり強制執行へとスムーズに移行することができます。
しかし、協議離婚で別れる大多数の親権者は離婚時に債務名義を取得していません。
強制執行を行う前提として調停を申し立て、養育費に関する調停が成立するか審判を得る必要があります。
支払いを拒否している相手と合意することは困難ですし、審判を得るまでには裁判所の調査を経る場合もあり、かなりの期間が必要です。
その間、養育費が支払われない状態が続きます。
養育費の取り決めは公正証書とすることを強くおすすめします。

面会交流

面会交流権とは、一般的には子どもと一緒に暮らしていない親が子どもに会う権利とされています。
けれど、最近は親と会う子どもの権利と理解されています。
離婚をしても親子の絆は切れるものではありません。
子の福祉という観点からも親の都合でもう一方の親と会わせないということは認められません。
DVや借金問題など、子が親に会うことが適切でないといえる特別な事情がない限り、具体的な取り決めをして子どもの権利を守ることが望ましいです。
具体的には
・面会の頻度(月に1度など)
・面会の時間帯、長さ
・宿泊の有無
・手紙やメールのやりとりの方法
・子どもの受け渡しの方法
・子どもが「行きたくない」もしくは「帰りたくない」といった場合にどうするか
などを決めておくとよいです。



つないだ手を離さないように・・・
面会交流の機会を失わないでください。


● 相手方が面会交流に応じない場合どうする?
面会交流を実現するには、子どもをもう一方の親に合わせるという行動を、子どもと暮らしている親がとる必要があります。
しかし、人にその意に反して何かを強制的にさせるということは不可能です。
面会交流は、実際に子どもと暮らす親が拒否してしまったら、取り決めをしていても、実現は困難と思われています。
裁判所を通じて間接強制をするしか方法がないのが実情です。
ただし、最近、面会交流権の間接強制に関し、3つの最高裁判例が下されています。
以下、判例に関するニュースを引用します。

★金銭支払い命じる「間接強制」は可能 子供の面会拒否で最高裁初判断 2013.4.1 20:32
 別居した子供との面会交流を調停や審判で認められたのに、子供を引き取った親が応じない場合、履行を促すために裁判所が金銭の支払いを命じる「間接強制」の決定はできるのか。この点が争われた3件の裁判の抗告審で、最高裁第1小法廷(桜井龍子裁判長)は「取り決めで面会交流の日時や頻度などが具体的に定められ、引き取った親がすべき義務が特定されている場合は、間接強制決定ができる」との初判断を示した。
 決定は3月28日付。同小法廷は、面会交流について決める際は「子供の利益が最も優先して考慮されるべきであり、柔軟に対応できる条項に基づいて両親の協力の下で実施されることが望ましい」との基本的な考え方を示した上で、3件の取り決めについて検討を加えた。
 3件のうち、父が別居する長女との面会を求めたケースは、面会は月1回で第2土曜日の午前10時から午後4時まで▽子供の受け渡し場所は母の自宅以外でその都度協議して定める▽母は子供を引き渡す際を除き面会交流には立ち会わない−などと取り決めていた。
 同小法廷は「母がすべき義務が特定されている」として、間接強制を認めた札幌高裁の判断は正当として、母の抗告を棄却した。
 一方、残る2件については「頻度や時間は決められているが、子供の引き渡し方法について定められていない」などとして、いずれも間接強制を認めなかった高松、仙台両高裁の判断は正当と結論づけた。

---以上、MSN産経ニュースより引用

判例の全文は次をご覧ください(裁判所判例情報へリンク)。
間接強制申立ての却下決定に対する執行抗告棄却決定に対する許可抗告事件(原審 仙台高裁)
間接強制に対する執行抗告棄却決定に対する許可抗告事件(原審 札幌高裁) ←間接強制を認めています。
間接強制決定に対する抗告審の取消決定等に対する許可抗告事件(原審 高松高裁)
具体的な面会方法の取り決めがなされていた場合、子と暮らしている親は取り決めどおりに相手方と子が会えるようになすべき義務を負っているので、子どもと会わせるまで金銭的な支払いを求められる(間接強制)こととなると判断しているようです。
これは、面会交流権の権利性を強める判例だと私は思っています。
親の感情で子どもが不利益を受けないように、離婚時に冷静に面会の方法をきちんと決めておくのが望ましいです。
ニュースでも事案によって間接強制を認めるか否かに違いがあることから分かるように、面会交流の間接強制が無制限に認められるものではありません。
しかし、間接強制まで可能ということを考えると、協議離婚をする場合でも公正証書による離婚協議書を作成しておくことは重要です。


● お金はいらないから、子どもにも会わせない
親権者となった女性がこんなことをいうケースがあります。
養育費を払わないかわりに面会交流を拒否することは許されるでしょうか。
DVや虐待など特別な事情がない限り、許されないと考えてよいと思います。
もう一方の親と会い交流をはかる権利(子どもの権利)を害するからです。
かわりに金銭的な援助を受けないとしても交換条件とすること自体に問題があります。
離婚で傷つく親の問題と子どもの問題は、わけて考えてほしいものです。それが大人の責任だと思います。

子どもの戸籍と姓

離婚の際、父親が親権者となる場合は子どもはそのまま父親の戸籍に残りますので、 特に戸籍に関する手続きをする必要はありません。 (戸籍の筆頭者が母親の場合は別です) 母親が親権者となる場合、子どもと母親が同じ戸籍に入るには一定の手続きが必要です。

離婚届を提出するとき、母親は旧姓に戻ります (婚姻時に名乗っていた姓を名乗る場合、届出が必要です)
離婚の記載のある戸籍は2週間程度で作成されるようです。 父親、母親、総苞に離婚の記載のある戸籍謄本を添付して、管轄の家庭裁判所に「子の氏の変更許可申し立て」をします。 詳しいことは裁判所のホームページでどうぞ (申し立て書式もダウンロードできます)
※離婚後も夫の姓を名乗る場合でも、父親の姓ではなく母親の姓を名乗ることになるので氏の変更が必要です。
1、2週間程度で決定がでますので、裁判所の決定書を持って、役所へ行き子どもの戸籍を父親の戸籍から母親の戸籍に転籍する手続きをします。 これで、晴れて子どもと同じ姓で同じ戸籍に入ることができます。

少し面倒ですが、最後まできちんと整理した方が良いと思います。